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コラム 2026.05.21 UP

デザインが素人っぽい原因は順番|機能と装飾の整え方

自分でデザインすると「なんだか素人っぽい」と感じるし、AIで生成するとキレイにはできるけど「言葉にできない違和感」が残るデザインに…。そんな心当たりはありませんか。

違和感はあるのに、どう直せばいいかわからない。色やフォントを変えてみては時間ばかりかかる。そんな経験を重ねている方も多いのではないでしょうか。

「デザインは自分にはできない分野のひとつ…」と思い込んでいる方にこそ、次の3つについてお伝えしたいと思います。

⚫︎デザインの2つの役割「機能」と「装飾」
⚫︎なぜ「機能」を先に整えるのか
⚫︎すぐに試せる、具体的な一手

「素人っぽさ」の正体は、センスではありません

先日、ご自身の専門スキルをレッスンにされている方のインスタ投稿デザインを、添削させていただきました。すでに丁寧に作り込まれていたのですが、ご本人は「デザインが素人っぽい…」と感じていたそうです。きっと、思い当たる方も多いのではないでしょうか。

でも実は、そのときに私がいちばん最初にお伝えしたのは、色やフォントの話ではありません。デザインには大きく分けて二つの役割と、取り掛かる順番がある、という話から始めました。

「もっと素敵なデザインにしたい」と感じていたら、ぜひ一度立ち止まって考えてみていただきたいのは、
「もっと伝わる」工夫は、できないだろうか? ということ。

デザインには2つの役割がある

役割①「機能」—伝わるための設計—

機能とは、伝えたいことを、見る人に負荷をかけずに届けるための設計です。
たとえば、次のようなことです。

⚫︎伝えたい情報に優先順位をつける
⚫︎視線が自然に流れる配置にする
⚫︎余白や文字量を整理し、読む負荷を下げる

「読める」状態をつくる、というより、「入ってくる」感覚をつくる。そのための土台となるのが、機能の役割です。

役割②「装飾」—魅力的に感じてもらう演出—

装飾とは、直感的に魅力的だと感じてもらうための演出です。
たとえば、次のようなことです。

⚫︎色やフォントの選び方
⚫︎写真やイラストの色調(トーン)
⚫︎装飾的なあしらいや雰囲気づくり

「なんだか好き」「信頼できる」「続きを見たい」、そう感じてもらうための見え方です。

先に整えるのは「機能」から

機能装飾
目的伝わる・理解される・迷わない魅力的に感じる・感情に響く・記憶に残る
情報設計・優先順位・配置・導線・余白・文字量色・フォントの個性・トーン・モチーフ・あしらい
視認性・判読性・可読性・字間行間・コピー形状・テクスチャ・装飾線・背景
判断基準「何が伝わるか」で決める「どう感じてもらいたいか」で整える
役割土台・骨組み仕上げ・個性
先に決めると…後から装飾を足しても崩れにくい先に決めると伝わりにくくなりやすい
順番

この二つのうち、「機能」を先に整えましょう。順番を逆にして、いくら表面をきれいにしても、土台が整っていなければ伝わりにくさは残り、違和感に繋がります。

同じ要素にも、機能面と装飾面がある

上の表では「色」や「フォント」を装飾の例に挙げましたが、これらの要素にも機能面と装飾面の両方があります。

要素機能として装飾として
フォントサイズ、字間・行間、行長、判読性雰囲気、個性、ブランドのらしさ
文字と背景のコントラスト、重要箇所の識別トーン、感情、世界観
余白情報の区切り、読みやすさ高級感、軽やかさ、余裕の印象
写真メッセージを補強する内容雰囲気、空気感、世界観

機能と装飾は完全に別物ではありません。同じ要素にも機能面と装飾面がある。だから先に機能面を決める。この順番を意識するだけで、色やフォント選びの迷いも減っていきます。

なぜ「機能」を先に整えるのか

間取り図と壁紙、どちらから先に考えますか?

順番を逆にした場合、「リフォーム」に例えるなら、間取り図がないまま壁紙選びから始めるようなものです。いくら素敵な壁紙で表面を覆っても、動線が整っていなければ、暮らしはしんどいまま。どの壁紙にしたら素敵になるかで迷う前に、

⚫︎何をどこに配置するのか
⚫︎暮らしがスムーズになる動線は何か

まずは土台から整えることが大切です。2次元のデザインも同じです。

よくあるパターン

これまで添削をさせていただく中で、気づいたことがあります。
「自分にはデザインのセンスがない」と思い込んでいる方ほど、間取りが解決しないまま、いきなり壁紙(色やフォント)から考えて、迷っていらっしゃいます。
だからこそ、伝えたいことです。

装飾は最後で大丈夫です

最初から色やフォントで悩む必要はありません。まずは「伝わる」設計から始めるのがポイントです。「センス」や「美的な感覚」ではなく、誰でも再現できる「知識」の部分です。

すぐに試せる、機能から整える工夫

すぐに活かせる工夫として、まずひとつ、伝えたい情報に優先順位をつけてみてください。「素敵さ」「おしゃれさ」より前に、見る人に負荷をかけることなく、伝えたいことが伝わる工夫を、先にしてみてください。

伝わる工夫チェックリスト
⚫︎一番伝えたいことが目に入ってくるか
⚫︎一行の文字数が多すぎていないか
⚫︎情報の量は、読む負荷になっていないか
⚫︎視線が自然に流れる配置になっているか


機能から整えると、情報が「読める」ではなく、「入ってくる」感覚になります。自然体のまま自分の言葉で届けたい気持ちは、そのまま活かせます。

デザインがいきなり易しくなるわけではありませんが、順番がわかるだけで、手がかりがつかめるかと思います。

機能から整えると、デザインの印象は変わる

いま、おひとりで作っているなら、ひとつ問いかけてみてくださいね。

「もっと素敵にしたい」の前に、「もっと伝わる」工夫ができないか?

添削しながら修正を重ねるうちに、デザインが機能し始めて「伝わる」ようになるのを実感されると、デザインは難しくて苦手だとおっしゃっていた方も、表情がふっとやわらぎ、笑顔になる瞬間があります。デザインの力を体感して、蕾がほころんで花が開くような、その笑顔を見るのが、私はとても嬉しいです。

「(デザインって)おもしろいですよねぇ!」とクライアントと共有できるとき、長年「デザイン」を推してきた甲斐があったと、胸の奥がぽわっと暖かくなります!

まとめ

⚫︎デザインには「機能(伝わる設計)」と「装飾(魅力的な演出)」の2つの役割がある
⚫︎先に整えるのは機能。装飾は、最後でも大丈夫
⚫︎まずは伝えたい情報に優先順位をつける

「もっと素敵にしたい」の前に、「もっと伝わる」工夫を。

もっと伝わるデザインに整えたい方へ

ご自身のデザインを「もっと伝わるものに整えたい」と感じていらしたら、『伝わるデザインレッスン+デザイン添削』というサービスもあります。

SNSの投稿やチラシなど、ひとりで作っているけれど違和感がある。そんなときは、機能の視点から一緒に見直します。

下記のお問い合わせフォームよりご連絡ください。お問い合わせ分野は「デザイン制作について」をお選びいただき、添削のご希望である旨をお問い合わせ内容にご記入ください。

お問い合わせフォームはこちら

よくある質問

Q. デザインが素人っぽく見える原因は何ですか?

色やフォントだけを変えても直らない場合、情報の優先順位や配置といった「機能」(伝わるための設計)が整っていないことが多いです。センスの問題ではなく、順番の問題かもしれません。

Q. 色やフォントを変えてもしっくりこないのはなぜ?

「装飾」から手をつけている状態に近いことがあります。間取り図なしで壁紙を選ぶようなもので、土台が整っていないと、どれを選んでも違和感が残ります。

Q. デザインのセンスがなくても改善できますか?

はい。まず「伝えたいことに優先順位をつける」という機能の視点から整えると、見え方が一気に変わることがあります。順番を変えるだけで、手がかりがつかめます。

About Me

松平小百合 Sayuri Matsudaira

1976年、千葉県生まれ。東京都内のデザイン制作会社で22年間、グラフィックデザイナーとしての実務経験を経て、2020年よりHYACCAとして活動開始。小さなお店や個人事業を営む方に向けた、アウトプットのデザインを重視したブランディングデザインを提供。デザイン大好き。 プライベートでは二人の男児の母。趣味は書道とおいしい日本茶を飲むこと。得意料理は餃子。

『小さな商いのブランディングデザイン』

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